ペインテッド・ヴェール ある貴婦人の過ち


映画『ペインテッド・ヴェール ~ある貴婦人の過ち~』予告篇

コレのサンプルを見てました。

原題も'The Painted Veil'。サマセット・モームの『五彩のヴェール』を2006年にナオミ・ワッツエドワード・ノートンの製作・主演で映画化し、ゴールデングローブ賞音楽賞も受賞(アレクサンドル・デスプラ)したのにお蔵入りになっていた文芸メロドラマです。共演は、ワッツのプライベートのパートナーであるリーヴ・シュレイバー(時期的にこの映画で知り合ったのかな?)に、トビー・ジョーンズアンソニー・ウォン、そしてダイアナ・リグ! 監督は「夫以外の選択肢」「ストーン」のジョン・カラン、脚色が「フィラデルフィア」のロン・ナイスワーナーです。

1925年。奔放な生活を送っていた女性キティは、父親が引きあわせた細菌学者ウォルターからいきなり求婚され、そのまま赴任地の上海へ旅立つ事に。だが、新婚というのに夫は仕事にかまけ、暇を持て余したキティは、現地で知り合った既婚の英国人男性チャーリーと不倫の恋の落ちて…。

要するに、異国を舞台にした文芸ロマン系の作品。で、その手の映画って、デヴィッド・リーンを気取ってか、やたらスケールのデカい現地の風景を悠々と見せながら、ゆ〜ったりとしたテンポで見せがちですが、本作は前述の部分が何と始まって三十分で済んでしまう! テンポが早過ぎて逆にビックリしてしまいました。

この後は、結局離婚しなかったものの心は完全に離れてしまった主人公夫婦が、コレラが蔓延する内陸の山村に赴いた事から話が転がり始めるという展開。そして、序盤を簡単に済ませた分、ここでの夫婦の心の動きをしっかりと描いていけて、見応えがありました。

ロケーションは綺麗だし、演技は当然申し分無し。ただ、メロドラマというには、演出がちょっと抑え過ぎな感もあって、もっと欲をかいてもいい気はしました。この辺が今まで劇場公開されなかった原因かな? 何でもかんでも描き過ぎ、語り過ぎじゃないのは良いとは思いますが。

The Painted Veil

The Painted Veil